川口章研究室へようこそ

ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と私生活の調和のことです。仕事もしたいし、家事も子育てもしたい。でも両立が難しいので、夫は仕事中心、妻は家事・育児中心というのが、わが国の一般的な家庭です。どうして両立が難しいのだろう、どうすれば両立が可能になるのだろう、ということを研究しています。

30年ほど前までは、どこの国も日本と同じような性別分業が行われていました。しかしその後、多くの先進国では徐々に性別分業が崩れ、結婚して子どもができても女性が職業生活を続けるのが当たり前になっています。ところがわが国では、出産後も仕事を続ける女性は25%くらいしかいません。仕事と育児の両立が難しいからです。

私は、わが国において仕事と私生活の調和が難しいのは、日本独特の雇用制度のためだと考えています。これまで日本企業は、「24時間会社のために働ける人」を採用し、そのような従業員を前提として業務量の配分を決めていました。「24時間会社のために働く」とは、休息が全然ないという意味ではありません。会社が要求すれば、夜中でも休日でも働くし、会社の命令一つで世界中どこにでも出張するという意味です。このような働き方ができるのは、家に専業主婦がいて、家事も育児も心配しなくていい男性だけです。

ところが、最近では、このようなやり方を続けていては十分な競争力を維持できないと考える会社が増えつつあります。女性の活躍なしに会社の発展はありえないことに気づきはじめたわけです。女性の活躍のためにはワーク・ライフ・バランスが不可欠です。企業はいかにして、従業員の仕事と私生活のバランスをとろうとしているのでしょうか、政府はそれに対してどのような政策を採るべきでしょうか、そんなことを研究しています。

著書の紹介

ジェンダー経済格差
-なぜ格差が生まれるのか、克服の手がかりはどこにあるのか-
川口 章
勁草書房
雇用社会の法と経済
荒木尚志,大内伸哉,大竹文雄,神林龍 編
有斐閣
少子化・家族・社会政策
[社会政策学会誌 第14号]
社会政策学会編
法律文化社
労働市場の規制緩和を検証する
-欧州8カ国の現状と課題
G.エスピン-アンデルセン,マリーノ・レジーニ編、伍賀一道,北明美,白井邦彦,澤田幹,川口章訳
青木書店
雇用慣行の変化と女性労働
中馬宏之,駿河輝和編
東京大学出版会